おいしいパン作りのコツ

ベーグルがシワシワに…失敗の原因と“ツルンと張りツヤ”に仕上げる方法!

はじめに|「なぜ?ベーグルがシワシワ…」

焼き立てのベーグル。
「わぁ〜!おいしそう…あれ?でもなんだかシワシワ?」

そんな経験、ありませんか?
ツルンと光るような美しい表面に仕上げたかったのに、しぼんでシワの寄ったベーグルにがっかり…。これは、ベーグルを手作りし始めた多くの人がぶつかる壁です。

この記事では、**「ベーグルがシワシワになる原因」**を徹底分析。さらに、発酵の見極め方やケトリング(茹で工程)のコツまで詳しく解説します。

ベーグルがシワシワになる主な原因とは?

「シワシワになってしまった」場合、その裏にはいくつかの失敗要因があります。

① 生地の水分量が多い

生地の水分量。これは加水率と呼ばれるものです。例えば、加水率50%と言われれば、生地の粉(強力粉)250gに水分125gとなります。
通常のパンは加水率65%前後が目安ですが、ベーグルは他のパンに比べ水分量が少な50-60%が多いです。

水分が多い生地は発酵が進むとソフトになりますが、発酵が進みすぎるとその分表面がシワシワになってしまいます。
ベーグルを作る時は、ソフトなふわふわパンとは一線を画して、ぎゅっと目の詰まったもちもちにしあげるために水分量を減らし、ゆっくり発酵させることによって表面がつるっとした弾力のある生地に仕上げていきます。

水分量は最初はレシピ通りに作ってみて、出来上がりの食感を自分好みに変えていくために何度か試作してぴったりのバランスを探してみてください。

パンの水分量についての生地はこちらのブログも参考になさってください。↓

パン作り 水分量 水温について現役パン職人が解説!仕込み水のpH、温度、水分量で生地は変わる。
パン作りをする上での仕込み水の重要性を現役パン職人が丁寧に解説。仕込み水のpH、温度、水分量で生地は変わります。

② 茹で時間や温度が適切でない

ベーグルを作るときに特徴的な工程の「ケトリング」は、ベーグルを焼成する前に茹でることです。

このケトリングにはコツが!茹ですぎると生地の内部まで水分が入り込み、焼き上がりにしぼんでしまいます。逆に茹で時間が短すぎても、皮がうまく固まらず、焼いている間にツヤが出ません。

片面30秒、適温で手早く茹でるのが基本!また、湯の温度は85〜95℃をキープするのが理想です。といってもいつも温度計で湯温を測ることができるわけでもないので、グラグラと沸騰させない、沸騰してしまったらいったん火を消して一息おいてからベーグルを入れる、といったような感じで調節してみてください。

決してグラグラとベーグルを茹でないように注意してくださいね。

ケトリングについて詳しくはこちら↓

ベーグルはどうして茹でるのか?ベーグル職人がケトリングについて詳しく解説
ベーグルは焼く前に一度“茹でる”という特別な工程を経ています。この茹でる作業のことを「ケトリング(kettling)」と呼び、ベーグル独自の食感と風味にとって欠かせないステップなんです。この記事では、神戸のベーグルヤRokkoがベーグル職人の視点から、ケトリングの科学的な理由やコツ、お湯に加える糖の種類まで、初心者の方でもわかるようにやさしく、くわしく解説します。

③ 茹でた後にすぐにオーブンに入れていない

ベーグルはケトリングの後も発酵し続けています。ここで発酵が進みすぎると生地の表面はシワシワになってしまいます。

ケトリングの前からオーブンを予熱して必ずスタンバイ。お湯から上げたベーグルからすぐに焼成に移れるように調整してください。

ベーグル作りの要:発酵の見極め方

ベーグルは「発酵させすぎない」ことが大切です。その見極め方とはどんなものなのでしょうか。

一次発酵(15〜30分)

ベーグルは他のパンに比べて一次発酵が短め
あくまで「生地がゆるまる」程度が理想です。
温かい部屋なら15〜20分、冬場なら30分ほどが目安。

ポイント:表面がふわっとやわらかくなり、少しふっくらとしたかな、くらいです。

二次発酵(20〜30分)

成形後の発酵では、「乾燥させないこと」が最重要。
ラップや濡れ布巾をかけたり、オーブンの発酵モード(35℃)を活用するのがおすすめ。

見極め方:生地を優しく押して、跡がほんの少し残るくらいがベスト。戻りが強い=発酵不足、ぺたんと戻らない=過発酵。

ツヤツヤ表面の決め手!ケトリングのミスと改善ポイントまとめ

ケトリング(boiling)は、ベーグル独特のもちもち食感に仕上げるための最大の特徴であり、成功の鍵です。ゆで上げて表面を固めることで生地中のガスを逃さず、目の詰まった生地に仕上げるための重要な工程です。

 

失敗例原因対策
茹でたらベチャベチャになった茹ですぎ、水気が残ったキッチンペーパーで水気をしっかり切る
ツヤが出ない湯温が低すぎる or 砂糖類なし85〜95℃を保ち、モラセス・砂糖・はちみつを加える
シワシワになる焼成までの時間が長い茹でたらすぐにオーブンへ

焼成温度と時間も大事!

焼成温度が低いと、焼き色がつかず、ツヤも出ません。
また、膨らみきらずシワシワになる原因にも。

✅ 熱いオーブン内に入れることで最初にガスがしっかり出て膨らみます!予熱はしっかり210〜230℃で12〜16分が目安。
✅ ガスオーブンを使う場合は、やや低めでもOKですが家庭用のオーブンレンジの場合は予熱しっかり+高温焼成が基本です。

よくあるQ&A|ベーグル初心者の悩みを解決

Q. モラセスやはちみつは絶対必要?

A. 入れることで美しい焼き色とツヤがぐんと増します。なければ、砂糖でも代用可です。

Q. 発酵時間を測っても毎回違う…なぜ?

A. 室温・湿度・粉の種類などで発酵の進み方は変わります。
時間よりも「生地の状態」を観察しましょう。

【まとめ】シワのないツルンとしたベーグルを作るために

シワシワベーグルは、ほんの少しのポイントを見直すだけで改善できます!

✅ 発酵はさせすぎない
✅ ケトリングは温度と時間を守る
✅ 焼くまでの手順をスムーズに(オーブンの予熱はしっかりとし、茹でた後はすぐに焼く)

「美味しさ」はもちろん大事ですが、「見た目」もパン作りの楽しみの一つですよね。
コツをつかめば、家庭でもつるっとツヤのあるベーグルは十分に作れます!

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