小さなベーグル店の作り方

【三足のわらじを履く】子育て・ベーグル屋・小説執筆 ― 私のもうひとつの「挑戦」の話

小さな店づくりのブログシリーズも、いよいよステップ⑧となりました。ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。今回のテーマは、私がベーグル屋を始めるずっと前から続けてきた「もうひとつの活動」についてです。実は私、子育てとベーグル屋と並行して、ずっと小説を書き続けているのです。今日はそのお話をします。

1. 小説を書くことは、子どもの頃からずっと続けてきた“もうひとつの人生”だった

私が初めてなにか(その頃は漫画家になりたかったのであれは漫画でしたね)を書いたのは、小学生の頃でした。親友の陽子ちゃんとの合作。とっても個性的な先生が主人公の漫画で、授業中にこそこそ書いていたらその先生本人に見つかってしまって、あとでたっぷりお説教されたことを懐かしく思い出します。今思えばめちゃくちゃ。でも、それでも書くことが本当に楽しくて仕方がありませんでした。

「大人になったら小説家になりたい」──それが私の本当の夢でした。

大学に進学し、就職して、結婚して、子どもが産まれても、執筆だけは続けました。
何度も賞に応募し、選考に落ち、それを繰り返してきましたが、
やめるという選択肢はありませんでした。
どんなに忙しい時でもノートパソコンだけは手放さず、隙間時間を見つけて、というか、時間を作ってとにかく書いていました。

私にとって、小説を書くことは「好きなこと」以上に生き方そのものだったのかもしれません。


2. ウェブ小説サイトで発表するようになり、作品が“選抜”されるように

やがて、子どもが少し成長し、自分の時間を確保しやすくなった頃。
私がとっても若いころとは違って今は普通の人でも作品を公開できる環境が整っていますね。
たくさんの人に読んでもらえる機会があるなんて、あの頃の私からしたら夢のようなお話です。
私は思い切ってウェブ小説サイトへの投稿を始めました。そこからは、年に1〜2本のペースで新作を書き、少しずつですが読者も増えていきました。

ありがたいことに、作品が新作セレクションに選抜されるなど、小さな結果も実り始めました。ジャンルは「心がホッと温まるヒューマンドラマ × ファンタジー」。自分が一番書きやすく、読者さんからも「優しい世界観」と言っていただけるものです。

読んでくださる方の存在は、私にとって何よりの励みになりました。


3. 子育ての合間でも、私はずっと書き続けていた

小説を書き続けてこられた理由のひとつは、たぶん「やめられなかった」からです。子育ての合間、夜中、休日。どんなに隙間時間でも、パソコンに向かうと、自分だけの世界に行くことができる。
幼いころから本が大好きで、本さえあればどんな世界にも行ける、と思っていましたが、それと感覚が似ているような気がしています。

もちろん、子育てはまあまあ大変でした。でも私、実はそんなに大変だとは思わなかったんです。
子供は不思議で面白いから!
子育てがかえって私の小説の世界を広げてくれたような気がしています。
たくさんの発見をありがとうって子供たちに伝えたい気持ちでいっぱいです。

どれだけ生活が騒がしくても、どんな状況でも、私は「書くこと」だけは手放しませんでした。


4. ベーグル屋を始めて気づいた“働き方の相性の良さ”

不思議な話なのですが、ベーグル屋を始めてから、私はますます執筆が進むようになりました。

● 早朝の仕込み → 「書く前の集中」と似ている

朝の静かな時間に黙々とベーグルを成形していると、物語のアイデアが自然と湧いてくることが増えました。手を動かしながら頭が整理される感覚です。

● 開店後の“お客様待ち時間” → 最高の執筆タイム

ベーグルは焼き上がってしまえば、あとは待つ時間が必ずあります。お客様が来られるまでのわずかな空白は、私にとって執筆のゴールデンタイムでした。

そして子どもたちが学校へ行く時間帯、私は店にひとり。これは大きかったです。店内の静けさは、そのまま物語の世界に入り込むための“扉”のようでした。

気づけば、ベーグル屋としての働き方は、私にとって小説を書く時間を生む最高の環境になっていたのです。


5. 三足のわらじを履くということ ─ その大変さと、救われた瞬間

子育て・お店・小説。この3つを同時に続けるのは、正直に言えばラクではありませんでした。仕込みのための早起き、作品の賞の応募締切、子どもの学校行事…。どれも大切で、どれも疎かにできない。

でも、私はこの3つに救われてもいました。

  • 子育て → 「生活のリズムと優しさ」をくれる
  • ベーグル屋 → 「人とのつながり」と「集中できる時間」をくれる
  • 小説 → 「自分自身を取り戻す時間」をくれる

忙しさのなかでバランスを崩しそうな時、小説を書く時間があることで心が整い、また翌朝ベーグルを焼く元気が湧いてきました。

だからこそ私は、これからも“三足のわらじ”を履き続けるだろうと思います。


6. そして、noteで小説を読んでいただけるように

小説家としての私の活動は、これまでWEB小説サイトに投稿していましたが、これから少しずつ形を変えていきたいと考えています。そのひとつが「noteで作品を販売する」という挑戦です。

創作は私の生活の中にずっと寄り添ってきたものだからこそ、少しずつでも、読んでくださる方に届けていきたい。そう思っています。

もし、私の物語を読んでみたいと思っていただけましたら、noteで販売している作品ものぞいていただけたら嬉しいです。

(※この記事の最後にリンクを載せています)


7. 次のステップ⑨へ

次の記事では、私が“小さな店を続ける力”について書きます。
売り上げだけで測るのではない自分の成長を実感できる方法。
それは私が長く続けてきた考え方です。

続きはステップ⑨【小さな店を続ける力】疲れずに続ける働き方と成長を測る方法


ベーグル開業ロードマップはこちらから読めます。

 

書くことを続けてきた私が、小さな物語を書いた理由

【書くというもう一つの仕事】

ここまで「小さなお店をつくる方法」を書いてきましたが、
実は私にはもうひとつ、ずっと続けてきた大切な仕事があります。
それが「物語を書くこと」です。

ベーグルを焼きながら、子育てをしながら、
私はいつも、誰かの心をそっと温める物語を作ってきました。

そして今回、
“ある世界” を小説としてまとめました。

舞台は、小さな居酒屋。
不器用で、人より少し回り道をしてしまう女主人公が、
それでも毎日店を開け、人を迎え、
自分なりのやり方で店を回していく物語です。

テーマは、
「どんな人でも、自分のペースで生きていい」
「小さな場所でも、人は救われる」

私自身、小さなお店を回しながら生きてきて、
ずっと胸の中にあった気持ちを
この小説に託しました。

もしあなたが、
仕事も子育ても人生も「うまくやらなきゃ」と思って疲れてしまう日があるなら、
この物語は、そっと寄り添えると思います。

▶︎ 小説はこちら(note)

『枝豆とカルピス』


今回noteで公開する小説 『枝豆とカルピス』 は、
そんな想いから生まれた物語です。

『枝豆とカルピス』予告編

これは、キラキラした高校時代を共に過ごした可乃子、てらちゃん、まっちんの物語。
主人公の可乃子は予期せぬ妊娠、出産で高校を中退し、恋人のてらちゃんと暮らし始めるが、
ある日、5歳になった息子を置いて姿を消す。
てらちゃんは居酒屋を営みながら一人で懸命に息子を育てるが、ある日交通事故で他界してしまう。
彼らの幼馴染、まっちんが可乃子を探し出し、息子のもとへ連れ戻す。
可乃子は35歳にして「高校男子の母親」になるという思ってもみなかった運命を背負わされる。
可乃子と息子・健士はわだかまりを抱えながら共同生活を始めることに・・・。
戸惑い、逃げたい気持ち、罪悪感──
それでも彼らは、てらちゃんが残した居酒屋を再生させるために協力しはじめる。
そして次第に家族になっていく・・・

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