酸化とは何か
「酸化」とは簡単に言うと物資と酸素がくっついて新しい物質ができる反応のことです。
この「酸化」という現象は私たちの身の回りでも常に見られる現象です。
食品の酸化
食品は製造時から時間がたつほどに見た目、風味、栄養的に劣化していきます。
特にフレーバー成分の酸化は「フレッシュな香り」が失われたり「繊細な風味」が損なわれることによってはっきりとわかります。
色の変化も日常生活の中でよく直面します。
例をあげると、切ったリンゴの断面の変色です。
リンゴに含まれるポリフェノールの酸化で断面が茶色く変色するのですね。
バナナやナスでも同様の反応を見ることがあります。
脂質やアミノ酸などの栄養成分も酸化によって臭みを発生させることがあります。
金属の酸化
金属の酸化は食品ほど早くはありません。とてもゆっくりと進行していきます。
それは「さび」です。
十円玉硬貨を並べて見て見ると製造されたばかりのものと使い込んだものとでは色の違いが顕著です。
人体の酸化
残念なことに私たち人間も酸化します。それは「活性酸素」と呼ばれるものです。
「活性酸素」は呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が変化したもので
細胞にダメージを与えます。
もともと人間は「抗酸化物質」を自ら作り出し、体を酸化から守っているのですが、
加齢でその機能は低下していきます。
肌細胞の酸化は「しみ」「しわ」「たるみ」を引き起こしますし、
内臓細胞の酸化は「ガン」「動脈硬化」の原因となります。
自分で作れないなら、取り入れるしかありません。
「ポリフェノール」や「カロテノイド」の含まれる食品が良いとされています。
冷凍保存は酸化を止められる?
「酸化」は私たちの身の回りで常に起こっている現象なのですが、
ここでは食材を「冷凍保存」することで「酸化」をくいとめることができるのか
考えたいと思います。
上手に食材を冷凍保存すると約4か月は保存できるといいます。
こちらの一般社団法人 日本冷凍食品協会のホームページにも情報がのせられています。
ぜひご参考に。
冷凍食品Q&A|冷凍食品の取扱い | 知る・役立つ | 一般社団法人 日本冷凍食品協会
冷凍した食材がおいしくない原因「冷凍焼け」のメカニズム
1.凍るまでに細胞内の水分が蒸発したり、氷が昇華していくことで少しずつ
「乾燥」「酸化」をして食感や風味が損なわれる。
2.細胞の中のもともとあった水分が凍る時に体積が大きくなり、
細胞を破壊することで食感や風味が損なわれる。
3.細胞の中のもともと水分があった場所に空間ができ、その隙間に空気が入り
「酸化」する。
「冷凍焼け」を防ぎ、おいしく冷凍保存する方法
冷凍保存の方法によって「酸化」は簡単に起こってしまう現象です。
そこで、おいしく冷凍するためにいくつかのポイントをおさえておく必要があります。
1.空気に触れさせない。
→ラップ+チャック付フリーザーバックなのでぴったりと密閉して保存する。
2.小分けにする。
(まとめて冷凍すると冷凍にかかる時間が長くなるので、細胞へのダメージが大きくなる)
3.急速冷凍する。
→氷の結晶が小さくなるので食材の細胞を破壊せず鮮度を保ったまま冷凍することができる。
急速冷凍機能の付いた冷蔵庫が人気ですが、なくても大丈夫です。
重ねず薄くして冷凍したり、
金属バットに乗せて冷凍したり、
アルミホイルに包んで冷凍したり・・・と急速冷凍する技はたくさんあります。
まとめ
・「酸化」とは、物質と酸素がくっついて新しい物質ができること。
・食品は適切な方法で「冷凍保存」をすることで「酸化」をくいとめることができる。
・適切な方法で冷凍保存すると長期においしく保存できる。
今回は、「酸化」について書きました。ぜひ参考になさってください。ありがとうございました!