目次
子どもと一緒にパン作りをするメリット・効果5つ【教育的効果も!】
① 食への興味がわく
パン作りを体験すると、「小麦粉がどうしてふくらむの?」「なぜ時間をおくと生地が大きくなるの?」といった疑問が自然にわいてきます。
これは酵母(イースト)による発酵という、目に見えない微生物の働きによるもの。
生地がふわっとふくらんでいく様子はまるで実験のようで、食べ物と科学がつながっていることを楽しく学べます。
この“食の中にある不思議”にふれることで、食育としても大きな効果があります。
② 親子のコミュニケーションになる
パン作りは、親子で「協力しながら進める」作業。
材料を量ったり、生地をこねたり、タイミングを相談したりする中で、自然と対話や協力が生まれます。
「どの形にする?」「ここ押さえてて!」といったやりとりが、相手の話を聞く・伝える力や共同作業の姿勢を育てます。
また、「楽しいね!」「じょうずにできたね」と声をかけ合うことで、自己肯定感も高まります。
③ 手先の発達や集中力アップに
パン作りは、こねる・丸める・形を作るなど、手や指をたくさん使います。
こうした動作は、手先の器用さ(微細運動能力)を育てます。
さらに、手順通りに作業を進めるには集中も必要。
「次は何をするの?」「時間をはかろう」など、段取りを考えて動く力や集中力、注意力も自然と養われます。
④ 想像力が広がる
パンの形は自由自在!まんまるだけでなく、動物・花・乗り物…何でも作れます。
子どもが「うさぎさんの耳つけよう」「お星さまの目はチョコで」と自分なりに考えることで、創造力や発想力がぐんと広がります。
特にキャラクターパンや動物パンは、造形遊び+食育+アートの要素もあり、楽しく学べる体験に。
パンを焼きあげるという達成感も得ることができます。
⑤ 五感をフルに使う体験
パン作りでは、手でこねる感触、発酵中の香り、焼き上がりの音、見た目、味など、五感すべてを使います。
これは、幼児期〜学童期の子どもにとってとても大切な「感覚の発達」をうながす体験。
特に家庭ではなかなか経験できない“香りの記憶”や“ふくらむ感触”などは、子どもにとって記憶に残る学びとなります。
こうした感覚の体験は、豊かな感性を育てます。
このように、パン作りは「楽しいだけじゃない」、子どもの成長や学びを支える体験なのです。

夏休みこどもパン教室の様子。子供たちの集中力には驚かされます。
📝子どもの「やりたい!」を応援するために
ベーグルヤでは夏休みにはたくさんの子供たちに来てもらってパン教室を開催していました。(現在はお休みしています)
その時に私が感じたのは「お母さんがつい手を出しすぎてしまう」ケースです。
「もっときれいに丸めて」「こっちのほうが上手くいくよ」と、良かれと思って手助けしてしまう気持ち、すごくよくわかります。でも、子どもたちに自分の手で自由にやってみてほしいなぁ。と感じました。
パン生地は放っておくとどんどん発酵が進んでしまいます。
そのためパン作りには時間というものがとても大切です。
でも子どもたちはそんなことはお構いなし。
パン教室なのだから、本当はそれをしっかりと学んでもらわなくてはいけないのかもしれません。だけど、幼稚園~小学校低学年のお子様に限っては、時間を正確に守って完璧なパンを作るより、自由にやりたいようにパンを作って楽しかったと感じることのほうが大切だと思いました。
もう少し年齢がいって、小学校高学年になるとより本格的にパン作りができるようになりますので、時間配分についてもきちんと学んでもらえるのですが・・・
小さな子どもたちは成型にたっぷり時間をかけるから、
当然おいしいパンにはならない。そんなことはわかっているんです。
それでもあんまりぺちゃんこのおいしくないパンが出来上がったら子どもたちはがっかりするだろうな・・・
心の中でそんな葛藤を繰り返しながら、なんとか許せる時間の限界まで自由に作ってもらって、その後は帳尻を合わせるように手早く裏方作業を進めたりしていました・・
でも、丸くなくてもいびつでも、それは世界にひとつだけの“自分のパン”なんですよね。
あの子どもたちの「できた!」という満足げな顔が忘れられません。
子どもたちの気持ちや発想の自由さを大切に、
ときには見守る勇気も、親子パン作りの大事なコツかもしれません♪
こちらは、一つずつグラムを計量しています。同じグラムだと火の通りも均一になります。パンの大きさがバラバラだと焼けすぎのものや生焼けのものが出てきます。そのため、面倒に思えるこの計量という作業はとても大切な工程といえます。
子供たちはすごく純粋で真面目!なんです。ほほえましいくらい大真面目!だから1gの違いも許しません(笑)それが本当にかわいい♡
パン作りに必要な道具(まずはこれだけでOK)
おうちで親子パン作りを始めるなら、まずは最低限の道具だけでも大丈夫。特別な機材がなくても、基本の道具があればシンプルなパンはしっかり作れます。
- ボウル(大・中):生地を混ぜたりこねたりするのに使います。できれば安定感のある大きめのものがおすすめ。
- ゴムベラ・シリコンヘラ:材料をこねる前の混ぜ作業に便利です。小さなお子さんでも扱いやすいですよ。
- スケッパー(カード):生地を切ったりすくったりするのに使います。
- クッキングシート :天板に敷いて使います。くっつき防止にもなり、後片付けも楽になります。
- オーブン:家庭用の電気オーブンでOK。トースターやフライパンではなく、しっかり温度調整できるものが理想です。
- キッチンスケール:材料を正確に測ることができます。
パン作りに必要な材料(シンプルでOK)
はじめてのパン作りに必要な材料は意外とシンプル。材料が少ない分、作る工程や変化をしっかり観察できます。
- 強力粉:パン作りには欠かせない主材料。
- ドライイースト:生地をふくらませる「発酵」の主役。初心者さんはインスタントタイプが使いやすいです。
- 砂糖・塩:風味と発酵を助ける大切な調味料。少量でもしっかり役割があります。
- ぬるま湯 or 牛乳:イーストを活性化させ、生地をまとめるために使用します。
- バター or サラダ油:しっとり感を出すために使います。
あったら便利な道具たち
慣れてきたら、あるとより快適に作業できる道具を少しずつ揃えてみても良いですね。
- 発酵器 or オーブンの発酵機能:室温管理が難しい時に便利。冬場や冷たい日でも安定して発酵できます。
- こね台 or パンマット:作業台が汚れにくく、手ごねもしやすくなります。
- 温度計:生地のこね上がりの温度を測ります。
パンのこね台が欲しいな、と思ったら、人造大理石製のものがおすすめです。べたついた生地でもすっきりとはがれ、作業がとても楽です。木製のこね台と比べるとやはり冬場は冷たくなってしまってパン生地の温度が下がってしまうのではないかと心配されることもあるようですが、昨今の住宅事情では、部屋の中は温かいことが多いので、それほど気にすることはないのではないでしょうか。
ご自分のパン作りをされる環境に応じて、選択されることをおすすめします。
楽しい!簡単!親子で作れるパンレシピ
子どもと一緒に作るなら、失敗しにくくて作業がシンプルなレシピがおすすめです。まずは定番の丸パンや、自由に遊べる動物パンからチャレンジしてみましょう♪
手ごねパンの作り方(基本のこね方)
まずはボウルの中に材料を入れて、ぐるぐると簡単にこねる、基本のこね方を説明します。
ボウルを最初に使うことで粉だらけにならず、ストレスも軽減されます。まとまってから、こね台に移して本格的に捏ねる作業にうつるといいでしょう。
材料を準備しましょう
粉とイーストを混ぜる。
スキムミルクを混ぜる。
塩を加える。
真ん中にくぼみを作って砂糖とバター、ぬるま湯を少し入れて混ぜ始める。
※バターはやわらかくしておくと混ざりやすいです。
こね作業(約20分程度)
こね台に生地を出してこね始める。
片手で生地を押し出すようにしながら、もう一方の手で生地をたたんでいくのがコツです。
*生地がべたつく場合は、少しずつ打ち粉(強力粉)を使って調整します。生地がまとまってきたら、こねる力を少し強くして、リズムよくこね続けます。
弾力が出てきて、表面がなめらかになるまでが目安です。こね上がりのチェックポイント:
・表面がつるんとしていて、引っ張ると薄い膜ができる(グルテンの膜)。
・指で押すとふんわり戻ってくる感じがある。
一次発酵へ
ボウルに生地を入れて、ラップをして温かい場所で発酵させる(約40分)。
*生地が2倍の大きさになるのが目安。発酵中は乾燥に注意!フィンガーテストで発酵具合を確認。
生地に粉をつけた指を差し込んでみて、跡がそのまま残ればOK。ガス抜きをして分割、ベンチタイムへ。
こぶしで軽く押してガスを抜き、必要なら生地を分割し、ぬれ布巾をかけて10〜15分ほど休ませます。
ここでうまくいくコツを紹介
手ごねには200gくらいの粉量が一番楽です。
夏場は水温に注意。発酵が進みすぎるのを防ぐために、少し冷たい水を使ってもOK。
バターは最後に入れてもよい(途中で加えると、こねやすくなる)。
生地がべたつく時は「カード(スケッパー)」を使うと便利です
簡単おいしい ハートのハムロール(7個分)♡♡♡
子供や大人に人気の惣菜パン。
生地にハムとマヨネーズを巻いて切り、上にコーンやピーマンなどをトッピング。
ハートの形に成形してかわいく仕上げて♪
パン生地(7個分)材料
強力粉 … 200g
ドライイースト … 3g
砂糖 … 20g
スキムミルク … 6g
塩 … 3g
卵 … 20g
水 … 130g
ショートニング(またはバター)… 20g
トッピング
スライスハム … 3枚
マヨネーズ
コーン・ピーマン(彩り用)
- 玉ねぎのみじん切り(レンジであらかじめチンしておくと辛みも消えて子供にも食べやすい)
1. パン生地作り
材料を順に混ぜてこねる。(上記の手ごねの方法を参考にしてくださいね!)
一次発酵:室温で約40分(生地が2倍の大きさになるまで)
2. 成形と焼成
発酵後、生地をガス抜きして 7等分(約40gずつ) に分割し、丸める。
ベンチタイム:10分(ぬれ布巾をかけて休ませる)
生地を丸くのばし、ハムをのせて巻く。ハムより1センチほど生地が大きくなるようにする。(ハムを乗せてから上から麺棒でやさしく伸ばすと伸ばしやすいですよ!)
- 手前側からハムと一緒に生地をきつく巻いていきます。
- 棒状にして両サイドをそれぞれしっかりと閉じます。
- その棒状の生地をを二つに折り重ねます。上の部分(矢印部)が1センチほど出るようにするとうまくいきますよ!
この点線部分をザクっとナイフで切ります。点線のないところは切らずに残してくださいね。
切り込みを開くときれいなハート形になります。
天板に並べ、2次発酵:30~40分(室温)
- トッピングを乗せます。
オーブンを予熱し、170℃で焼成10~12分(焼け具合を目で見て確認してくださいね)
ここでコツを紹介!
焼く前にトッピングとしてマヨネーズ、コーン、ピーマンなどをのせると彩りも良く、食感も楽しくなります。
こちらはクッキー生地とココア味のクッキー生地を作ってパンにかぶせているところです。
メロンパンのレシピをアレンジして、カメさんの甲羅を作ったり、クマさんパンを作ったり。子供たちのアイディアは無限です。
親子でパン作りをすると、ただ「作る」だけでなく、笑顔や学び、成長もたくさん生まれます。
最初はうまくいかなくても大丈夫。「一緒に作ったね」「楽しかったね」という思い出が、きっと心に残るはずです。
ぜひ、週末やお休みの日に、子どもと一緒にパン作りを楽しんでみてくださいね♪
まとめ:親子でパン作りを楽しむために大切なこと
パン作りは、子どもにとって食への興味や科学への好奇心を育てる素敵な体験です。
親子のコミュニケーションや手先の発達、想像力や五感の刺激など、たくさんのメリットがあります。
ただ、子どもの自由な発想や「やりたい気持ち」を尊重して、手を出しすぎず見守ることが何より大切。
完璧なパンよりも、親子で一緒に楽しむ時間と笑顔を大切にしてくださいね。
まずは最低限の道具や材料で気軽にチャレンジしてみましょう。
シンプルな丸パンや動物パンなら、子どもも大人も楽しめること間違いなしです。
パン作りを通じて、親子の絆がもっと深まり、かけがえのない思い出が増えますように!
ぜひ、楽しいパン作り時間をたくさん作ってくださいね♪